諏訪湖の貧酸素水の塊 県がメカニズム解明へ

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諏訪湖の中心部で流向流速計と風向風速計の設置作業を進める県の調査委託会社の関係者。湖上に浮かぶのが風向風速計を立てた台船(信州大学諏訪臨湖実験所の協力で撮影)

県水大気環境課は13日、諏訪湖の底層で毎年夏に確認される水中の溶存酸素が欠乏した貧酸素水の塊の発生メカニズムを解明するため、湖心部に流向流速計、風向風速計を設置した。9月中旬までデータを収集する。湖内の水の流れを把握し、湖上の風力、風向きと水の動きの関係を考察するための基礎データとする。

諏訪湖は1960年代に水質汚濁が進み、富栄養化によるアオコの異常発生などが社会問題化したのを受けて下水道の整備をはじめとした水質保全対策が講じられた。水質は改善傾向にあるが、近年は毎夏に貧酸素水域が広がり、生物の生育環境に大きな影響を与えている。

県は貧酸素対策の推進や「底層溶存酸素量」の環境基準の類型指定に向けて貧酸素水塊の挙動など必要な情報を把握する必要があり、調査研究を進めている。

今年度行う流況調査のうち、流向流速計は、同日設置した湖心部のほかに岡谷市湊、諏訪市湖岸通り(上川沖)、下諏訪町高木の沖合にも置き、計4カ所で観測を続ける。風向風速計は湖心部のほかに岡谷市釜口水門、下諏訪町赤砂崎公園、同町大沢(いずれも地上)に置く。諏訪市のアメダス諏訪観測所のデータも利用するほか、信州大学理学部付属湖沼高地教育研究センター諏訪臨湖実験所(諏訪市湖岸通り)の水深別水温(一部は溶存酸素量)の観測記録も共有する。

流向流速計は計測部分を残して湖底に埋める。計測部の先端から超音波を出し、水面に向かって20センチ間隔で水の流れる方向や速さを10分置きに記録する。湖上の風向風速計は約1メートル四方の台船に立てて水面から0・5メートルの位置の風の向きや強さを記録する。陸上の観測は1~1・5メートルの高さで行う。湖内の両計測器は1カ月ごとに回収する。

13日の設置作業では舟で計測器を沖合まで運び、2人の潜水士が湖に潜って流向流速計を設置した。風向風速計は方角を定めるまで何度も微調整を行い、係留用の重りで位置を固定した。流向流速計の湖心部以外の設置作業は14日も行う予定。計測は環境調査会社いであ(東京都)に委託した。委託費は約1000万円。

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