2020年7月28日付

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商店街のアーケードで、黄色の円盤が風を受けてくるくる回っていた。反対側から見ると、ヒマワリの花をかたどった風車だった。街を明るくしてくれる気の利いた飾りで、梅雨明けが近いことを知らせているように見えた▼今年も育てているだろうか…。ふと思い出して、駒ケ根市中沢の三室光治さんの家を訪ねた。長雨で湿った雑木林を抜けると、緩やかな斜面の中腹にある畑が黄色く見えて、ほっとした。東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県陸前高田市で震災翌年の2012年に花を咲かせ、被災地の人たちを勇気づけたヒマワリの9代目の花だった▼駒ケ根で陸前高田応援のヒマワリ栽培が始まったのは13年。陸前高田応援団「Peshi Peshi(ペシペシ)」の代表で、震災直後から支援活動を行っている会社役員、宮澤健志さんが、現地でのボランティア活動の際に種を譲り受けたのが始まりだった▼賛同してヒマワリを育てた三室さんは「被災地のことをいつまでも忘れないようにしよう」と毎年種を採り、栽培を続けている。畑のヒマワリには大きなものがあったり、小さなものがあったり。まだ咲き始めで、つぼみもたくさんあった▼年がたつにつれ、草丈も花の大きさにもばらつきが出てきたが、「買った種で育てれば丈は大体そろう。でも、このヒマワリはこれでいい」と三室さん。被災地への変わらぬ思いが伝わってくる。

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