2016年08月09日付

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死ぬこと以外は、かすり傷―。そう言ったのは、リオデジャネイロ五輪(リオ五輪)から正式種目に採用された7人制ラグビー女子日本代表の中村千春主将。金メダルを目標に積み重ねた過酷な練習がそう言わせたのだろう。結果、目標は達成できなかったが、この経験はメダルとは違った価値をもたらしたのではなかろうか▼少ないラグビー経験者と他の競技からの転向組で編成された女子日本代表。5年前から年間200日を超す強化合宿で自らの肉体と精神を鍛え上げてきた。そのつらさを考えれば何事もかすり傷としか思えないのだろう▼ラグビーに限らず五輪出場を目指す、五輪でメダルを目指す者は皆、自らの目標に向け心身を極限まで追い詰めている。だから、手も差し伸べられ、応援されもする。頑張る姿は人と人との距離を近づける▼五輪中継を見て妙に目頭が熱くなる場面はないだろうか。以前から知っているでもなく関係するでもないにもかかわらずだ。どんな思いで、どんな厳しい練習を経て大会を迎えたか、おぼろげながらも想像がつくからなのだろう▼リオ五輪は21日まで全306種目を、9月7日からはパラリンピック(~18日)が開幕し526種目が行われる。とかく勝者に注目しがちだが、敗者の弁には社会にも通用するきらりと光る名言が含まれていたりする。今大会ではどんな言葉が心をわしづかみにしてくれるのだろう。

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