赤ちゃん笑顔10万人 下諏訪のプロカメラマン・北原さん撮影達成

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赤ちゃんの笑顔を追い続けて19年。下諏訪町御田町のプロカメラマン、北原守さん(54)が10万人の写真撮影を達成した。1997年6月から始まった大型店でのイベント「赤ちゃん集まれ」は好評で、一日に撮影した赤ちゃんは193人に及んだこともあった。カメラ7台、レンズ2本を壊し、シャッターを押す指先は変形した。北原さんは大台の到達に「約束を果たした」と喜ぶ一方、新たな挑戦にも意欲を燃やす。

■1日で193人写した日も

北原さんはもともと東京で活動した音楽雑誌やCDジャケット、ポスターの「人物写真家」。沢田研二、桑田佳祐、デビッド・ボウイら大物ミュージシャンのほか、中曽根康弘元首相ら政治家、著名人の写真も手掛けた。

転機は36歳のとき。親族や子どもらのことを考え、田舎で暮らしたいと古里にUターン。そこで待っていたのは町 内にある大型店の店長の「 店内を明るくするため赤ちゃんの写真を飾りたい」という願いだった。

撮影は御田町の写真館で行おうと思っていた北原さん。ところが店長は大型店内での撮影を希望した。思いもよらぬ撮影方法に、さほどお客さんは来ないだろうと考えていた。だが「200人が来た」。

以来、全国各地の大型店の「赤ちゃん撮影会」で0~3歳の小さな子どもにレンズを向け続けた。1年間の最多撮影人数は1万1029人。1日で193人を写したときは「1人(撮影するのに)2分もかけられなかった」と振り返る。

■「その人を引き出す」

始めたばかりの1998年、諏訪大社御柱祭の写真集「神となった巨木」を出版した際、取材記者から赤ちゃん写 真の目標を聞かれ「10万人」と発言。まだ1年間で撮影人数が1000人に届かないときで、北原さんは「あのときは大風呂敷を広げた」と懐かしみ、今は達成感をかみ締める。

10万人は22日、愛知県の大型店で迎え、この日で10万76人と記録を伸ばした。

赤ちゃんの撮影は「まずママに落ち着いてもらうこと」。そして赤ちゃんを笑わせるには、赤ちゃんを緊張させ、その上で手に持った人形などを少し動かして見せる。すると赤ちゃんはにっこりするという。

撮影のこつは「その人を引き出すこと」。ミュージシャンなど「表現者」は撮影されるときの表現方法を知っており、赤ちゃんより撮影は楽。赤ちゃんの表情を短時間にフレーム内に収めるのがプロカメラマンと自覚する。

「笑顔は文句なしにいい。赤ちゃんの笑顔を見たら戦争は起こらないのでは」とも。

次の目標はお年寄りを対象にしたイベントでの写真会。「子孫にプロの撮った写真を残してもらえれば」と構想を練る。でも、「まだまだ赤ちゃんの撮影は続けます」ときっぱり話す。北原さんは10万人を超えても赤ちゃんの笑顔を狙う。

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