自然の中で遊ぶブッシュクラフト 需要高まる

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休日子育てシェアハウス山ん家の子どもたちに、火おこしの技術を伝授する小池耕太郎さん(右)。「野遊びで人と森の距離を近づけたい」と話す=15日、茅野市青少年自然の森

自分の体と最小限の道具を使い、自然の中にある物を最大限に活用して遊ぶ「ブッシュクラフト」。茅野市内でも教室や体験会が開かれ、親子らが自然に親しみながら火おこしなどを習得している。遊びの中には災害時にも役立つ知恵と技が詰まり、生き抜く力をわが子と育みたいという声も。林業士兼インストラクターで、「野遊びで人と森の距離を縮めたい」という小池耕太郎さん(39)=同市ちの=の教室を訪ねた。

■茅野市内で教室

「人が生き残るためには五つのことが必要だよ。考えてみよう」-。15日、茅野市青少年自然の森。教室にやってきた「休日子育てシェアハウス山ん家」(同市北山)の子どもたちに小池さんが優しく語り掛けた。

「空気がないと死んじゃうじゃん」「食べ物は絶対に必要だよ」と子どもたち。小池さんは空気の次に「体温を保つこと」、その次に「水」が必要と伝え、森の中で集めた枝や葉っぱを使って、体温を保持したり、川の水を煮沸したりできる火おこしの実演に入っていった。

子どもにはよく燃える枝の見極め方や組み方、保護者には麻ひもやリップクリームなど着火に重宝する物などを説明した。教室では、1枚のブルーシートから風雨をしのぐシェルターを作ったり、ロープワークを教えたりすることもある。

■「野遊び」と定義

ブッシュは「茂み」の意味で、直訳すれば「茂みから作る」となるが、防災士でもある小池さんは「野遊び」と定義する。「耐える防災、つらい防災は嫌なんです。野遊びの中で自然と力が付いていけばいい」。火おこしに成功した「山ん家」の子どもたちの笑顔を見て、目を細めた。

仲間とともに「八ケ岳ブッシュクラフトスクール」を運営する。茅野ならではの体験を提供する「ちの旅」の体験プログラムにも加わった。県内外の親子連れや修学旅行生ら多くの受講があり、需要の高まりを実感する。災害、原発事故、新型コロナ。「平和でいけるわけがないという予感が人々の中に広がっていると思う」と推察する。

■子どもに向けて

林業を本職とする小池さんには、生き抜く力の他に、野遊びで伝えたいことがもう一つある。「僕らが行うのは主に子どもに向けてのブッシュクラフト。山って森って面白い、林業ってかっこいい、そんなふうに思う子が増えてくれたら」。植えて、育て、活用し、また植える。林業のサイクルと同じように、野遊びから人が育ち、山づくりのバトンがつながっていくことを望んでいる。

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