2020年12月20日付

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大学入学のときに上向きだった景気が突然悪化し、最悪の雇用情勢の中で就職活動を強いられる学生たちがいる。世の経済の問題だったり、大規模災害だったり、原因はいろいろある▼世の中が悪いときに卒業年を迎えてしまった学生のことを思うと、努力だけではどうしようもない運のようなものが人生を決めているのではないかと疑ってしまう。コロナ禍の今年もそうだ▼上伊那高校図書館協議会が行う上伊那の高校生が選ぶ読書大賞は「雨の降る日は学校に行かない」(相沢沙呼著、集英社)に決まった。上伊那地方の公立8高校の生徒たちが、読んで選んだ本だ▼テーマは「希望」。候補作品には、新型コロナウイルス感染拡大の影響が広がる中で、未来への希望を感じることができる6作品が挙がっていた。例年なら協議会の生徒研究会に各校の図書委員が集い、候補作品についての座談会を踏まえて最終投票しているが、今年は生徒研究会もオンライン開催で、大賞は各校の投票結果を集計して決めた▼生徒研究会を運営した赤穂高校3年の池上晴希さんがこう言っていた。「私たちはコロナ世代だとか諦め世代だとか言われるのかもしれない。でも希望のある本を読み、諦めない気持ちを学んでいきたい」と。たとえ小さくても、そこに希望の光を見つけることができれば力にできるだろう。この一年を、いつか取り返すことができると信じたい。

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