2016年2月26日付

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今の子どもたちは、手近な物の長さを測るとき手元に道具がないと、およその長さを把握するのにどのような方法をとるのだろうか。簡単に思いつくのは、自分の手で親指と人差し指を使って「いち、に、さん」と、幾つ分の長さがあるかを数える方法▼端から端まで2本の指をつぼめたり伸ばしたりしながら尺を取る動きと、前に進む姿が似ているからと「シャクトリムシ」の名前で呼ばれるガの幼虫もいる。シャクトリムシに頭から足まで尺を取られると死ぬ、などと言われることもあった▼そんな虫の姿は見かけなくなったが、現役で活躍する“尺取り”の言葉を耳にした。「これから辰野に尺を取りに行く」。諏訪大社上社の御柱祭に向け氏子の熱気が沸々とたぎり始め、本格的に御柱の準備に取り掛かろうという、ある地区の役員の口から出た言葉▼地区ごとの担当の御柱が15日の抽籤(ちゅうせん)式で決まり、自分たちが曳(ひ)く柱の長さを実際に確認しようと辰野町の安置場所へ出掛けるというのだ。自然とそんな言葉が行き交う現場こそが、子どもたちに見聞させたい場所だ▼前回の上社御柱祭の準備作業でのこと。御柱前方に左右に広げる形で2本取り付けるメドデコの位置を、その地区は先頭から「4尺を超えない位置にする」と聞いた。「死を超えない」につながるのだという。伝統を受け継ぐ現場には、子どもに知ってほしい「なるほど」がたくさんある。

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