2021年2月4日付

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これから大きな課題になっていきますよ―。10年ほど前の自治体職員の”予言”が頭に浮かぶことが多くなった。団員確保や待遇など、消防団をめぐる問題が各地で顕在化してきたからだ▼南箕輪村と中川村の消防団が来年度からポンプ操法とラッパ吹奏大会の開催を取りやめるという。上伊那地方では辰野町、箕輪町に続く措置。ほかに検討している市町村もあるようだ。昨年は新型コロナウイルスの影響で中止が相次いだが、関係者からはここ数年の団員の意欲低下を指摘する声も聞かれる▼要因は勤務形態や団活動に対する考え方の多様化とされる。大会前の早朝練習の負担の重さを嘆く訴えは年々増しているとか。ある地域では結束を目的とした団の飲み会について、家族の時間を奪う悪習だと団幹部に対し強い抗議が寄せられた▼全国の団員数は昨年約81万8千人となり過去最少を更新。団員確保は全国的な課題だ。人口減や少子化で同じ市町村内でも地区間で格差が生じ、高齢になっても退団できなかったり、分団を再編したりする話も聞く。消防庁は地域防災力低下の危機にあるとして、団員に支払う報酬や出勤手当の引き上げを視野に待遇改善の検討を始めた▼もはや右肩上がりの成長など従来の社会の前提は崩れ、対症療法に多くは望めない。コロナ後を見据えた新たな価値観に基づく社会の再構築には、幅広い分野の見直しが求められる。

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