健康支え64年 諏訪市湖南診療所最後の診療

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親子孫三代にわたって湖南地区の健康を支えた小松医師に感謝し、佳道医師(左)に花束を贈る関係者

村内に医師がいない無医村だった湖南村(現諏訪市湖南)に1957(昭和32)年に開設された諏訪市湖南診療所が24日、最後の診療日を終え、64年の歴史に幕を下ろした。最後の患者の診察が終わると、親子孫の3代にわたり湖南住民の健康と地域の安心感の拠り所を守ってきた功労に感謝し、地元区から医師の小松佳道さん(45)に感謝状と花束が贈られた。

同診療所の開設は湖南村が諏訪市と合併する際の条件の一つだった。開設の2年前から要望、請願の動きが活発になり、市が県に申請して湖南小学校の隣接地に同診療所を建設した。60年(昭和35)年には市保健事業の一環として山間地出張診療制度が始まり、湖南診療所が拠点施設となった。

初代所長の小松卓郎さんから息子の道俊さんに引き継がれ、2013年に道俊さんの長男、佳道さんが受け継いだ。継続を望む声はあったが、施設の老朽化に伴う耐震強度の不足や漏電の危険性、防犯上の懸念などを鑑み、閉鎖を決めた。

24日、佳道さんは午後3時から約1時間、診療を行った。「最後だから会いに来た」などと話す患者らと笑顔で懇談。最後の患者の診察を終えると、湖南地区の区長や市職員が集まり、感謝の気持ちを込めて花束と記念品を贈った。

思いがけないサプライズに佳道さんらスタッフは驚き、喜んだ。湖南地区区長会長を務める宮沢利明大熊区長(71)は「子どもの頃、熱を出した時、具合が悪い時、湖南診療所でお世話になった。この場所に診療所があって良かった。ありがとうございました」と感謝の言葉を伝えた。佳道さんは「祖父、父、そして私と三代にわたり、地元の皆さんの理解と協力に感謝しながら運営してきた。こちらこそありがとうございました」と応じていた。

同診療所は閉まるが、山間地の巡回診療は佳道医師が院長を務める諏訪豊田診療所を拠点に続けられる。

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