焼き鳥一筋半世紀 居酒屋「きよさわ」閉店へ

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今月いっぱいで50年続けた店を閉める居酒屋「きよさわ」の清沢至資さん、正子さん夫婦

焼き鳥一筋に夫婦二人三脚で営業を続けてきた居酒屋「きよさわ」(諏訪市大手1)が、30日を最後に閉店する。タンやハツを広めた焼き鳥専門店の草分けだが、後継者不在と高齢から「今が潮時」と決心し、50年の歴史に幕を下ろす。清沢至資(よしすけ)さん(77)、正子さん(77)夫妻は「50年やれたのはお客さんのおかげです。商売は努力が報われる仕事。やってくれる人がいれば」と語り、店を継いでくれる人を募っている。

■タンやハツを広めた草分け

同店の創業は1971(昭和46)年12月。当時流行のスナックをやる考えだったが、同市大手で「肴(さかな)屋ごん太」を経営していた故廣橋正弘さんを通じて東京・新橋の男性と出会ったことが転機となる。至資さんは「屋台で焼き鳥を売りながら体の不自由な娘さんを育てていた。その生き方に感動してね。『よしやろう』と決めた」と振り返る。

現在の店舗には75(昭和50)年ごろ移った。裏路地の店だが、当時珍しいタンやハツの魅力を紹介するなど、本格的な焼き鳥が評判となる。カウンター10席と4人掛けのテーブル二つの店内に入れず、並木通りの公園で席が空くのを待つ客もいた。焼き鳥は1本100円(野菜は80円)。15種類を提供する。

閉店は、1リットルの生ビールジョッキ「大生」を運び続けた正子さんが腰を痛め、歩けなくなる不安が募ったことがきっかけだった。至資さんは「お客さんと話しをするのが好きで、もうちょっとやりたかったが、1人ではできないから」と踏ん切りをつけた。

■夫婦二人三脚 1人では無理

今、閉店を知った常連客がきよさわの味を求めて連日訪れている。客から贈られたメッセージボードには「ありがとう」「お疲れさま」といった言葉が並ぶ。20年近く離れて暮らす長女の辻木綿子(ゆうこ)さん(49)=東京都=は、取材に「立ち止まらずに一つの事を半世紀も続けてきた両親を誇りに思います。当たり前にあった店がなくなるのは寂しいですが、心の中で生き続けます」と語った。

清沢さん夫妻は「寂しい思いをさせた子どもたちや、温かい諏訪の皆さんに支えていただいた。長い間本当にありがとうございました」と、感謝の言葉を繰り返した。至資さんは「商売は苦労だと思えば苦労だが、やってみたら達成感がある。失敗はさせない。やりたい人がいれば全てを託したい」と話している。

問い合わせは清沢さん(電話0266・53・6627)へ

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