2021年5月26日付

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かつてのふるさと創生交付金を思い出させる。能登半島の先端部近くにある石川県能登町が、町の「道の駅」ならぬ「イカの駅」に設置したという、体長13メートル、高さ4メートルの巨大なイカのモニュメントだ▼日本三大イカ釣り漁港に数えられる小木漁港を抱える「イカのまち」をPRしようと、3月末に設置したという。その原資になったのが、新型コロナ対策で国が自治体に配る地方創生臨時交付金だったことから、波紋が広がっている▼設置費3000万円のうち、2500万円を交付金で賄ったという。町は、国が示す「地域の魅力の磨き上げ」の活用例に合致すると説明したとされるが、批判を受け、「国からの交付金は、使えるものは使ってしまおうとの意識があった」「町の予算案を深く審議せずに通してしまう雰囲気があった」といった町議の声も報道された▼竹下登内閣による地方創生策で、使途を問わない1億円が一律で全国の市町村に交付されたふるさと創生事業。金の延べ棒を購入したり、村営キャバレーや「日本最長」の滑り台が登場したりと、各地に珍事業が乱立して公金の使い方が問われた▼30年を経た今、あの出来事は教訓となっているだろうか。能登町議の弁明は、身近な自治体や議会にも重ならないだろうか。国からの交付金もまた、私たちが納めている税金。いま一度認識を新たにし、行政や議会、公金の使途に目を配りたい。

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