2021年7月17日付

LINEで送る
Pocket

暗幕で暗くした特別教室にはたくさんの灯籠が並んでいた。側面には生徒一人ひとりが自分の親に宛てて書いた感謝の言葉が貼り付けられていて、灯籠のほのかな明かりによってその文字が浮かび上がって見えた。たくさんの「ありがとう」があった▼高遠高校の文化祭「兜陵祭」で全校生徒が取り組んだ。教室入り口の廊下の壁にはPTA企画「親からの子への手紙」があり、生徒たちの灯籠と連動するかのような応援メッセージが並んでいた▼今年の兜陵祭は新型コロナ対策で当初から一般公開の予定はなかったが、保護者限定で参観できるように準備を進めていた。ところが開催直前に新型コロナの感染警戒レベルが上がり、保護者の参観は中止に。生徒たちは思いを伝える場がなくなってしまった▼あれは残したい…。そんな声を受けて、同校は夏休み前の保護者懇談会が終わるまで展示を続けることにした。子と親をつなぐメッセージは今、生徒玄関から教室棟へとつながる廊下に並んでいる▼お弁当を作ってくれてありがとう―。毎日のように弁当を持たせてくれることへの感謝の言葉があちこちにあった。「お弁当」は面と向かって言えない「ありがとう」を引き出しているのかもしれない。その続きには「いつもは言えないけれど、父さんはいろいろやってくれているよね。ありがとう」とあった。こんなことを書かれたら涙が止まらなくなる。

おすすめ情報

PAGE TOP