高遠石工に焦点 松尾さん小説自費出版

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元伊那市建設部長の松尾修さん(56)=中川村片桐=が書いた小説「高遠旅石工たちの幕末~時に託された想い」が講談社エディトリアルから出版された。茅野市北山に実在する石造物「人頭蛇身仏」を切り口に、建立の謎解きを通して、高遠石工の仕事をミステリータッチでつづった。

頭部が人で身体がヘビの形をした石仏の謎が、幕末の旅石工の物語へといざなうストーリー。江戸時代と現代を結び付け、人と人、人とモノのつながりを印象付ける作品で、高遠石工の業績と旅稼ぎの苦労も浮き立たせている。

3年前に書き上げた原稿を、修正して編集した。松尾さんは「高遠には著名な石仏師だけでなく、日本全国津々浦々を訪ね、石臼を造ったり、狛犬を造ったりした旅石工がいたが、人々の暮らしに根付いた石工品は一般的すぎて評価されてこなかった。手に取ってもらいやすいミステリータッチで書くことで、名もなき旅石工の存在をクローズアップしたかった」と執筆の動機を語る。

2009年4月から4年間、国土交通省からの出向で伊那市に勤務し、建設部参事や建設部長を務めた松尾さん。在任中の12年には南アルプスの開拓者、竹沢長衛の生涯を題材にした小説「竹澤長衛物語」を出版している。現在は岐阜県大垣市の建設部技監として単身赴任中。

発行は自費出版の形態で、伊那市観光や高遠石工研究センターが協賛し、出版委員会が販売に協力する。廣瀬源司委員長は「高遠石工は高い技術を持ち、素晴らしい作品を残しているにもかかわらず、あまり知られていない。小説は石工の活動を広めることにつながる」と期待している。

四六判、256ページ。1700円(本体価格)。初版は1000部。ニシザワが伊那市内(宮田村内を含む)のTSUTAYAなど書籍取扱い部門で販売。問い合わせは高遠さくらホテル内伊那市観光の出版委員会事務局(電話0265・94・6001)へ。

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