2021年7月31日付

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米国食品医薬品局がアルツハイマー病の病理に直接作用する世界初の治療薬を承認した。有効性については不確かな部分もあり、時期尚早との声もある。高齢化に伴い認知症患者の増加が見込まれる中、迅速承認に踏み切った背景には「夢の治療薬」への過剰な期待があるようだ▼厚生労働科学研究認知症対策総合研究事業の報告書によると、国内の推定認知症有病率は85歳以上で約半数。95歳以上では約8割が発症するとみている。平均寿命の延びを考慮すれば、誰もがなり得る病気と考えるべきだろう▼国の認知症施策推進大綱では、認知症に関わる支援ニーズと支援者をつなぐ「チームオレンジ」を2025年度までに全市町村で整備するよう目標に掲げている。全国に1300万人以上いる認知症サポーターを中心に認知症の人や家族も参加して地域に合った支援活動をチームで展開していく▼この取り組みを県内でいち早く進める駒ケ根市ではこれまでに3団体がチームを結成。各行政区にある通いの場を充実させる形で活動の輪を広げている。「区内で複数のチームがあってもいい」「地域に合った取り組みを」と意気込む関係者の熱意には頭が下がる思いだ▼高齢化が進む中、認知症の人にやさしい社会の実現は今後のまちづくりに不可欠な視点といえる。個々にできる支援を活動につなげることで大きな支え合いの輪となることを期待したい。

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