2021年11月8日付

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アフリカ・エジプト国境の南側にあるスーダンの町ワディ・ハルファから同国の首都ハルツームまでの距離は約1000キロ。移動手段はトラックで、人は荷台に満載した荷物の上に乗せられる。走行中は削岩機を打ち付けられたような強烈な振動。気を緩めれば振り落とされる▼行く先は延々と広がるサハラ砂漠。古いトラックはエンジンがオーバーヒートし、タイヤがパンクし、砂でスタックし、なかなか進まない。だが、頻発するトラブルは他のトラックの運転手たちも手伝って一緒に解決する▼移動中の休憩時、近くにアオミドロが浮かび、止水に近い水の流れがあった。空気が乾燥しているとはいえ、気温は40度超え。涼を求め、その流れに足を付けた時だった。背後から「それは飲み水だ」と声が飛び、足を引っ込めた。まさか、飲用とは思わなかった▼当時の日記には「過酷だ。だが彼らは不機嫌そうにない。これが常識なのか」とある。同国では優良な日本製品の印象や日本政府の援助もあり、日本人への好感度は高い。見ず知らずの旅人のお茶代を何も告げずに支払ってくれ、宿に困れば青年も警察官も「うちに泊まりなよ」と声を掛けてくれた▼同国は一昨年の民主化で約30年間の独裁政権が崩壊した。その後、軍と民主化勢力が共同で統治していたが先月、今度は軍事クーデターが起きた。死傷者もいる。一刻も早い混乱の終息を願う。

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