運用20年 地域に定着「つれてってカード」

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商店街で使われているつれてってカード

商店街で使われているつれてってカード

駒ケ根、飯島、中川の3市町村で利用できる多機能型ICカード「つれてってカード」が、1996年10月の運用開始から20年を迎える。県下初のICカードを使った商店街活性化策としてスタートし、現在は人口の3分の1以上に当たる約1万7000人がカードを所有。カード事業を行うつれてってカード協同組合(桐生肇理事長)は「地域のコミュニティカードとして定着した」と評価する一方、利用者の固定化やインターネット通信販売への流出などを課題に指摘。利便性や魅力を高め、さらなるサービス向上を目指すとしている。

つれてってカードは、郊外型大型店舗出店の対抗策として、駒ケ根市内の商店でつくる「駒ケ根スタンプ協同組合」=当時=が事業化。従来のスタンプに代わるポイントサービスに加え、電子マネーによるプリペイド(前払い)機能などを備えた多機能型カードとして運用を始めた。

98年に飯島町、2000年には中川村へ利用範囲を拡大。自治体が交付する各種証明書の発行や、一部の医療・文化・温泉施設、公共交通などでの利用、環境・健康に関する活動に対して同市が交付する「えがおポイント」発行機能を加えるなど、付加価値を高めてきた。

現在の加盟店は148店舗で、小売店の加入率は約7割。医療・温泉施設などを加えると166カ所で利用できる。カード発行枚数は約1万7000枚。加盟店、発行枚数とも、ほぼ横ばいで推移しているという。

利用面では、昨年度は約1120万ポイントを発行。約12億円が消費された計算で、組合は「地元商店街の活性化に一定の効果を与えている」と評価する。ただ微減傾向が続いており、要因として人口減少や利用者の固定化・高齢化、ネット通販の普及などを挙げている。

組合はポイントの発行率を上げるイベントを定期的に開き利用促進を図っているほか、新店舗への加盟の働き掛けなどを継続的に推進。端末に一般のクレジットカード取扱機能を追加し組合一括加入で手数料を低く抑えたことから、最近は飲食店の加盟が増え、若者の獲得につながっているという。

また少子化や人口減などから「地元だけでは限界がある」とし、観光客をターゲットにした普及策や、伊那市コミュニティカード協同組合が発行する「いーなちゃんカード」とのポイント共有化による広域化などを模索。端末の利便性向上や販売促進への助言など、加盟店への支援強化も検討している。

桐生理事長は「地域の協力で事業が20年続いたことは誇りだが、生き残っていくためには課題も多い。時代の変化に対応し、地域コミュニティのツールとしての魅力を高めていきたい」としている。

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