諏訪市の小規模区支援 連携や再編統合提案へ

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諏訪市は、上諏訪地区で少子高齢化と役員のなり手不足に直面する100世帯未満の小規模区を支援しようと、区との懇談に乗り出す。地域活動の維持には「最低でも100世帯、できれば300世帯が必要」とし、近隣区との連携や再編統合も提案していく考え。市の発言に強制力はないが、防災や福祉を切り口に「支え合う地域コミュニティ」の確立を目指す方針だ。

市によると、諏訪市内89区のうち100世帯未満の区は39区あり、そのうち約9割が上諏訪地区に集中する。同地区の昨年高齢化率は市内5地区で最高の37%で、この15年で8.2ポイント増えた。区ごとでは50%超が10区、40%台が32区に上り、特にJR上諏訪駅周辺や山の手、湖畔、並木、大和、湯の脇、東南部で「都市部の限界集落化」が進む。

上諏訪地区の小規模区では事業が縮小傾向にあり、相互扶助や生活環境の改善、防災や防犯、伝統文化の伝承、親睦を担う「地域力」が低下している。浸水被害を受けた昨年8月の大雨災害では、ボランティアが来るまで途方に暮れていたお年寄りもいて、災害時の「地域の脆弱性」が浮き彫りになった。

市は一昨年、本町一丁目と本町二丁目、片羽、浜町一、浜町二、富浜町の駅前6区長との懇談を先行して始めた。昨年11月の会合では、既存の区を残して事業を共同実施する案を示したが、区民の意見をまとめる負担感や変化への抵抗感、区への愛着などから不調に終わったという。

区は地域住民が自主的に組織する任意団体であり、憲法に基づいて地方自治を担う「市」と対等な関係にある。一方、上諏訪地区は区長会を組織しておらず、地区全体で課題を共有し、解決策を話し合う環境がない。行政との結び付きも希薄で、小規模区ではその傾向がさらに強まる。

市が区の支援に乗り出すのは、地域活動の停滞が市民の生活基盤を揺るがしかねないと判断したためだ。市地域戦略・男女共同参画課は「各区に寄り添い、課題を洗い出して共有しながら、話し合いのお手伝いができれば」と話す。まずは区役員からの相談に対応し、語り合うことから始める考えだ。

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