3月11日は特別な日 菅原さん被災体験談

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教壇に立ち、東日本大震災への思いを生徒に語り掛ける菅原さん=原村原中学校

東日本大震災発生から11日で11年。9日、岩手県盛岡市出身で原村原中学校の家庭科教諭、菅原亜美さん(23)が被災経験を2年1組の27人に語った。大学進学を機に長野県に住み、昨年教員になったばかり。これまでも授業で防災に力を入れてきたが、震災への自身の心情を話すのは初めてだ。「3月11日は特別な日。東北の事を思ってほしい」と語り掛けた。

盛岡市生まれの菅原さんは高校まで同市で過ごし、信州大学教育学部へ進学。長野県で教員になり、昨年4月から同校で教壇に立つ。長野で就職したきっかけの一つは、小学校の教育実習での児童の一声。理科の授業で地震について話した際、「長野は津波が来ないから心配しなくていいよ」と言われた。地元に帰るか悩んでいたが、大好きな岩手について長野で伝えることが地元への貢献につながると決心したという。

この日は震災時の映像や写真を交えながら話した。菅原さんは当時小学6年生。市内の公園で友達と遊んでいた時に大きな揺れに襲われた。3日間はライフラインが通じない中、家族と自宅で過ごし、元の生活に戻っても、精神的に震災の情報を受け付けられない日々が続いた。

現在、菅原さんの父は岩手県久慈市で防波堤や船を造る復興に関する仕事をしていて母や姉は盛岡市内に住む。「震災が起きても私は家族を助けに行けない。不安だけど郷土を愛しているから住み続けているんだと思う」。昨年8月に岡谷市で発生した土石流災害や今後発生が予測される南海トラフ地震にも触れ、「海がないから大丈夫ではなく、川は氾濫する。どうすれば命を守れるか、命が助かった後どうすればいいか、普段どう備えるべきか考えて」と呼び掛けた。

生徒に震災への思いを伝えるのは信頼関係が築けてからと決めていた菅原さん。「(盛岡市は)沿岸部でないのに震災の話をしてもいいのかな」と迷いもあるが、「長野の人が東北にボランティアに来てくれたことに感謝している。恩返しじゃないけど、岩手県民として、東北の人間として震災や東北のことを伝えていきたい」。今後も家庭科の授業で、災害への備えや災害時の食事、調理法などを伝えていく。

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