県の未来像 「日立京大ラボ」AIが描き出す

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県は22日、日立製作所(東京)と京都大学による「日立京大ラボ」開発のAI(人工知能)を活用し、2050年までの県の未来像をシミュレーションした結果を発表した。起こりうる未来シナリオを列挙し、政策や戦略立案に役立てる目的。環境指標が改善し、産業や雇用分野も良好な望ましい未来像に向かうためには、若者にとって魅力的な教育や仕事があること、エネルギー消費が抑制されて豊かな森林が維持されていることなどが重要との結果が示された。

環境や健康などに関する215の指標を基に2万通りの「未来シナリオ」を算出したところ大きく7グループに分かれた。このうち多くの指標が改善した場合の「グループ2」では環境指標と経済指標がいずれも向上して両立し、労働環境の改善でワークライフバランスも良好、観光など交流が活発で子どもの学力なども向上する。

「グループ2」へ至るまでには、29年と34年、37年に分岐点が見られ、29年に望ましい方向へ分岐するには若者の教育や雇用の充実のほか、温室効果ガスの吸収源となる森林が維持されていること、公共交通機関が活発に利用されて地域交通が維持されていることなどの指標も大きく影響すると解析した。

34年までには健康寿命を延ばすことや介護環境を充実させること、雇用機会の拡大、女性が活躍できる労働環境整備などがポイントになる。37年までには自然公園などの活用で観光面で人を引き付けること、農林業で担い手確保や生産性向上が進んでいることなどが重要と示された。

阿部守一知事は22日の会見で今回の結果について、「SDGs(持続可能な開発目標)の視点での取り組みが重要であることを再確認できた」とした。AIによるシミュレーションについては政府が推進しているEBPM(証拠に基づいた政策立案)の観点からも重要視し、「具体的な政策と連携させていきたい」とする一方で、「AIの結果と民主的なプロセス、政治的な判断、県民の判断を組み合わせていくことが必要」と述べた。

AIによる県の将来像のシミュレーションは18年からの取り組みで、19年に初めて結果を発表した。来年度からの県の総合5カ年計画の検討に着手している現在の議論の基礎資料にしようと、精度を向上させて再度シミュレーションをした。前回は数値で表せない抽象的な指標が半数を占めていたが、今回は統計調査などでデータがある数値指標のみを使って客観性を向上させて精度を高めたとしている。

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