輝くおんべ熟練の技 広瀬さん2000本仕上げる

LINEで送る
Pocket

エゾマツ材をかんな掛けしておんべの房を作る広瀬勝也さん(右)と作業を手伝う娘の鷹野原美咲さん

諏訪大社御柱祭に合わせて、建具職人の広瀬勝也さん(83)=茅野市仲町=は自宅工房でおんべを製作している。エゾマツ材を薄くかんな掛けし、柄に取り付ける房を1枚ずつ仕上げていく。

広瀬さんは家業の建具作りの傍ら、20代のころから御柱祭のたびにおんべを製作。長野日報社とエルシーブイが御柱年に開く「木やり日本一コンクール」には、イベントの創設時からおんべを寄贈してきた。今回は大小約2000本を家族総出で仕上げた。

房の材料には、白い材が特徴で、薄く削っても強度が保てるエゾマツやトウヒを使用する。今年は直径約1メートル、長さ4メートルのエゾマツの幹8本を北海道から調達。製材所で長さ1.5メートルほどの角材に加工した。房を束ねる柄や先端に取り付ける札は、腐りにくく長持ちするヒバで作る。

製作では、特別なかんなを使用して木目に沿って材を削る。かんなはどれも年季が入り、中には同じ建具職人だった父の形見もある。「70~80年は使っているのでは」と広瀬さん。作業は2人一組で行い、かんなから出る房の端をもう1人が引っ張る。この日は、近くに住む娘の鷹野原美咲さん(51)がサポート。幼いころの鷹野原さんは父の仕事に興味津々で、「内緒でかんな掛けにチャレンジしたこともある」と笑う。

房はおんべ1本につき180本ほど使用する。削り立ての房にはうっすらと木目が浮かび、光を受けるときらりと輝く。厚さはわずか0.03ミリほど。適度な力加減で薄く削るのは、熟練の職人技だ。だが広瀬さんは「まだまだ父には及ばない」と謙遜する。

「伝統技術を後世に残したい」と広瀬さん。2010年から、茅野市木工組合の仲間とおんべ作りの講習会を開いている。受講者には「かんなを使ってみたい」という同年代が多いが、40代や50代も参加した。「やる気さえあれば誰でも上手に作れるようになる。まずは挑戦してみてほしい」と話している。

おすすめ情報

PAGE TOP