2016年10月27日付

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秋の高原のイベントでのこと。にぎわう会場の中、家族連れの話を聞こうと思い、子どもたちと一緒になごやかな雰囲気で工作体験をしている男性に声を掛けた。こちらからの問い掛けに快く応じてくれた男性は40代。親子4人で毎年イベントに訪れていると、手を一生懸命動かしながら笑顔で答えた▼原則として個人の話を聞く場合は、住所、氏名、職業、年齢を一通り聞いてから取材を進める。人によって年齢を「うん十代ということで」とか、「名字だけにして」とか、こちらの希望通りの答えを返してもらえず、残念な思いをすることは多い▼家族の場合は父親と母親のちょうど中間当たりで、2人の顔を見比べながら声を掛けるとすんなりと話が進む。先ほどのイベントでも、「お楽しみのところすみませんが…」と最初の一言を母親に投げ掛け、振り向きながら父親に話を聞いた▼「お仕事は何ですか」と聞いて返ってきた答えは「専業主夫です」だった。「えっ」と思ったが、動じた様子を見せてはいけないと質問を続けた。職業で「専業主夫」を聞いたのは初めてだった▼多様な家族のあり方があると実感した。家族の代表のように父親に話を聞いて不思議に思わなかったことに、今さらだが改めて疑問を感じた。だったらこの場合、母親にまず話を聞くべきか。いや、そもそもそんな疑問を持つこと自体、「せんぎょうしゅふ」に対する差別か。

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