2019年03月30日付

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ひんやりとした空気に包まれた朝だった。つぼみを膨らませた桜も開花へのスピードを鈍らせたかもしれない。県議選が告示され、激戦が予想される選挙区では春を飛び越して初日から舌戦が熱い。陣営の皆さんにしてみれば、桜のつぼみに目をやる余裕もないだろう▼桜の名所の一つ伊那市の伊那公園では、花見に訪れる人たちを迎える準備が進んでいる。ウスズミザクラが植えられている広場の入り口には、いつものように花見小屋が出来上がり、4月1日の桜公園開きを待つばかりとなった▼伊那公園では唯一で、名物にもなっている花見小屋が設営されたのを見たときは、ほっとした。半世紀にわたって季節営業している北沢福明さんは今年81歳。去年の桜の季節に「そろそろ終わりにしたい」と話していたので心配していた▼昔は花見小屋が3軒ほど並んでいたという。北沢さんによると、会社の花見で団体客が訪れることも多く、大にぎわいだったそうだ。だが、時代とともに花見の仕方も変わり、大きな団体客は激減。最近は「赤字覚悟の営業」だった▼伊那公園は桜の種類が多く、寄贈を受けて植えてきた桜も存在感を増している。「この桜だって、俺が来たときはこのくれえだった」と北沢さん。背丈ほどだったウスズミザクラは、見上げるほどの高さでつぼみを膨らませている。この陽気なら県議選が終わってからでも花見を楽しめそうだ。

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