重度障がいの若者 経営チャレンジ 富士見

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一般社団法人を設立したメンバーたち。左端が理事長の向山さん

「社会人として自立したい」―。肢体不自由の障がいがある4人が、富士見町に一般社団法人「リンクワーク」を設立し、インターネットのショッピングサイトを活用して商品の販売代行などを行う事業を始める。4人は食事や入浴、排せつ、移動などの介助を受けて暮らしているが、情報通信技術の発達で選択肢が拡大。働くことで社会や仲間とつながり、自己実現を図ることを目指している。掲載商品を募集している。

法人設立は8月14日。理事長に発起人の向山陸央さん(21)=伊那市=が就いた。理事は元島佑貴さん(20)=下伊那郡豊丘村=、花岡夏南子さん(25)=諏訪市=、上原大河さん(21)=東筑摩郡山形村。4人は生活介護サービスを利用する仲間で、花岡さんを除く3人が諏訪市のグループホームで暮らしている。

今年1月ごろ、4人に生活介護サービスを提供するぞうさん(富士見町)の原田健会長(70)と向山さんの雑談がきっかけだった。「お金もうけをしたい」と話す向山さんの決意を聞いた原田会長は当初、社内に事業部設置を考えたが「彼らの自主性、独自性を応援したい」と法人の設立を提案。家族への説明や法人設立の手続き、口座の開設、設立費用の立て替えなどの支援に当たってきた。

事業は、ぞうさんが保有するネットショッピングサイト「zousan+」を無償利用し、就労継続支援を行う事業所や一般企業の商品をネット上で販売して代行手数料を得る―というもの。販路が少ない事業所の商品を一手に販売し、利用者の工賃アップを図りたい考え。障がい者が制作した芸術作品の商業利用の可能性も模索している。

向山さんの障害支援区分は支援の度合いが最も高い「6」。首から下の動作や会話が困難で車いす生活を送っているが、マウスを顎で動かしてパソコンを操作し、文字の入力もできる。時間はかかるが、メールを使えば、健常者と意思疎通が可能だ。

向山さんは「ネットのおかげでできることが増えた。いい時代になったと思う。社会経験がほとんどないため不安はあるが、事業を通して地域の役に立ちたい。重度の身体障がい者が仕事で活躍できる社会にしたい」と話す。ほかの3人も「法人の一員になれてうれしい」「みんなで協力して頑張りたい」などと意気込みを語っている。

原田会長は「彼らは介護サービスを利用しないと生活できないが、狭い世界にいても『若者』だ。お金を稼いで社会とつながり、自己実現をしたいと願う気持ちは当然だと思う。ネット空間で彼らは経営者。現実の社会と向き合うチャレンジを応援していきたい」と話している。

問い合わせは、リンクワーク(メールlink.work.plum@gmail.com)へ。

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