2016年2月23日付

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「デマンドタクシー」と聞いて、その特徴や役割を認識できるだろうか。主に利用者が減り路線バスの維持が困難になった際に、代替の公共交通として運行する乗り合いタクシーを指す。予約が必要な場合が多い▼「格安乗り合いタクシーはどうか」。先日取材した公共交通の会合で、分かりやすい呼称の導入が提案された。デマンドタクシーを運行する地域で利用促進を狙いに改めて仕組みを説明したところ、「初めて知った。そんなに便利なら使いたい」という高齢者がいたという。肝心の対象者に理解されていなかったという、笑い話にもならない実態があった▼行政の取材をしていると、スキーム、パブリックコメント、インセンティブ、ワークショップなどのカタカナ言葉によく出会う。それぞれ計画、住民意見、動機付け、参加型講習会などの意味合いだ。こうして言い換えてみても違和感はない▼「カタカナ効果」もあるのだろうが、優れた施策も住民と共有できなければ意味がない。こうした用語には説明を付けるのが新聞の基本だが、資料そのままにカタカナが並ぶ記事があることも否定できない。われわれも反省する必要がある▼岐阜県中津川市の「お役所言葉改善の手引き」は、職員向けにカタカナ言葉や行政用語の言い換え例を示していて参考になる。サービスはわかりやすい言葉から―。伝える身としても、改めて肝に銘じたい。

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