古墳群の出土品初公開 伊那市創造館で特別展

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近年の古墳調査のパネルや初公開の出土品などが並ぶ伊那市創造館の夏季特別展

伊那市に数多く残る古墳をはじめとする遺跡の近年の発掘調査と出土品を紹介する夏季特別展「森に眠る古墳群~新たなイナの古墳時代像」が、市創造館で開かれている。新たに見つかった古墳時代の住居、再発見された古墳や十三塚など調査の成果をパネルにまとめ、多数の出土品を初公開。古墳時代の馬具を飾り付けた様子を再現し、これまでの調査から分かる当時のありさまを伝えている。 

市教育委員会が1~2月、「伊那市誌」編さん作業の一環で行った富県と東春近の古墳群の調査では、富県に4基、東春近に38基の古墳が残っていると確認。昭和40年代に作成された「伊那市遺跡地図」に載っていない古墳4基と、十三塚とみられる中世の塚72基を再発見した。

昨年に調査した西春近南小学校遺跡(西春近)では、これまで市内で3軒しか確認されていなかった古墳時代の住居が新たに3軒見つかり、出土品を一般に初めて公開。古墳13基があるとされる上牧古墳群(上牧)では、確認されている古墳以外に、遺跡地図に載っていない古墳や遺構を合わせて13基発見した。

老松場古墳群(東春近)で2年前に行われた第4次調査の成果もまとめ、2号墳から出土した古墳時代半ば以降の須恵器などを初公開している。

また、狐塚南古墳(西町)から出土し、金が施された珍しい馬具を展示。馬の剥製に馬具のレプリカを取り付け、当時の装飾の様子を再現した。このほかにも近年の発掘調査の様子と出土品を紹介している。

同館学芸員の濵慎一さんは「多くの古墳があり、広域にわたって残っていることは、他の市町村でもあまりない。古墳時代の風景を感じてもらえたら」と来場を呼び掛けている。

特別展は、県立歴史館主催の夏季企画展「主張する古墳~新たなシナノの古墳時代像」(8月20日まで)との連携企画。9月4日まで。午前10時~午後5時。入場無料。問い合わせは市創造館(電話0265・72・6220)へ。

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