わなに鹿、メールで通知 諏理大が実証実験

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公立諏訪東京理科大学(茅野市豊平)の小林誠司特任教授の研究グループは、無線通信技術LPWA(ローパワーワイドエリア)を活用した「くくりわなの監視通報システム」の実証実験を茅野市内の山林で進めている。設置したわなの座標を地図アプリに表示し、鹿がわなに掛かると狩猟者にメールで知らせる仕組み。高齢化や後継者不足に悩む狩猟者の見回りの効率化などが期待される。

実証実験は、同大学を中心に、LPWAを用いて地域課題を解決する「スワリカブランド」創造事業の最初の取り組みとして2018年12月から始まった。システムは3分間隔で位置情報を発信し、地図上ではわなの座標に旗のマークを表示する。鹿がわなに掛かるとセンサーが感知し、各狩猟者にメールで伝えるとともに鹿のマークが表示される。昨年11月からは、新たに開発した2種類の発信機を約30個設置し、製品化に向け改良を重ねている。

新しい発信機はセンサーと発信機を一体化し、加速度センサを搭載した「引き込み型」と「トリガー型」の2種。引き込み型はわなに掛かった際の振動を検知、トリガー型は防犯ブザーのようにピンが引き抜かれることで検知して発信する。通信面では、LPWAの中でも「長距離安定通信」「高速移動体通信」「低消費電力」の特長を持つELTRES(エルトレス)を採用した。他のわな監視通報システムと比べ通信料が安価で、扱いやすいことも特長だ。

11月から再び始まった実験には、市鳥獣被害対策実施隊員の男性が協力。システムについて男性は「わなに掛かった鹿の位置を把握できる一方で、わなの回収し忘れ防止などにも役立つ」などと評価し、「わな管理の補助的役割として最適ではないか」と話した。また、「すぐに駆け付けることができるので、痛い思いをしている鹿を早く楽にさせられる」とし、「いち早く狩ることで、より高品質なジビエへの転用につながるのでは」と指摘した。

小林特任教授は「引き続き実証実験を重ね、地域や地元企業を応援できる成果になれば」と期待を寄せている。

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